沿革と理念†
本学科・専攻は旧制広島文理科大学を母体として昭和24年の学制改革により広島大学理学部生物学科動物学専攻と植物学専攻として発足したものであるが,その始まり はさらに古く,明治35年創設の広島高等師範学校にさかのぼることができる。国立大学の生物学科の中でも東京大学、京都大学、東北大学に次ぐ4番目に長い伝統と実績 を有する学科である。その沿革と大要を年代順に記すと以下のようになる。
- 1909年4月 広島高等師範学校創設。
- 1929年4月 旧制広島文理科大学動物学教室および植物学教室が発足する。
- 1933年6月 附属臨海実験所が尾道市対岸の向島に開設される。
- 1945年8月 旧制広島文理科大学は世界最初の原子爆弾の直接の被害を受ける。
- 1949年5月 学制改革により新制広島大学として創設される。動物学・植物学両教室は理学部所属となる。各教室にはそれぞれ形態・分類・生理の 3講座が置かれ、臨海実験所は理学部の附属となる。
- 1953年4月 大学院理学研究科の設置が認められ、動物学専攻と植物学専攻の修士課程の学生が入学する。また1955年4月には博士課程の学生が入(進)学する。
- 1967年6月 理学部附属両生類研究施設が設置され、大学院動物学専攻の教育を担当する。
- 1974年4月 理学部附属宮島自然植物実験所が設置され、植物学の教育を行う。
- 1977年4月 理学部附属遺伝子保管実験施設が設置され、研究と教育を行う。
- 1987年5月 生物学科に分子遺伝学講座が新設され、動物学教室は計4講座となる。
- 1988年4月 生物学科に細胞構築学講座が新設され、植物学教室は計4講座となる。
- 1991年3月 大学院最先端設備「細胞情報機能解析システム」を設置する。
- 1991年10月 広島大学統合移転計画に基づき理学部は東広島市西条キャンパスへ移転する。
- 1993年4月 生物学科は生物科学科へ、大学院動物学専攻と植物学専攻は学科直結の生物科学専攻と学部をもたない遺伝子科学独立専攻へ改組する。
- 1997年10月 生物科学科に再生生物学寄付講座が設置される。
- 1999年4月 大学院理学研究科は部局化され、遺伝子科学独立専攻の構成講座は数理分子生命理学専攻に生命理講座に再編となる。
- 2000年4月 大学院理学研究科は部局化され、生物科学専攻の構成講座は,動物科学,植物生物学、多様性生物学、両生類生物学、植物遺伝子資源学の五つの大講座となる。
- 2004年4月 広島大学は、国立大学法人広島大学になった。
- 2012年4月 両生類研究施設は学科目担当となった。
- 2016年10月 両生類研究施設は両生類研究センターとなった。
1993年4月の改組によって,それまで学部及び大学院とも動物学専攻・植物学専攻に分かれて教育・研究を行ってきた組織が、生物科学科及び大学院生物科学専攻と遺伝子科学独立専攻という2つの組織になり、二つの専攻が学科教育を担当することとなった。さらに1999年と2000年に、大学院理学研究科の部局化にともない、遺伝子科学独立専攻は数理分子生命理学専攻の生命理学講座に移行した。附属両生類研究施設(現、両生類研究センター)が学科教育に加わり、現在は、生物科学専攻の四つの大講座、生命理学講座、両生類研究センターの教員が生物科学科の教育を担当する。
教育目標†
学部教育†
広島大学理学部生物科学科の学生は,主専攻プログラムとして「生物学プログラム」を履修する。
生物学プログラムの詳細(以下の7項目)は 生物学プログラムのページ に記載している。
- ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針,プログラムの到達目標)
- カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)
- アドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)
- プログラムの紹介と概要
- 主専攻プログラムにおける教養教育の位置付け
- プログラム到達度評価の方法
- プログラムの詳述書
理学部学生便覧に記してあるとおり、総合・教育、外国語、体育実技、情報関連、専門関連、専門基礎、専門科目の中から、必修、選択科目合計128単位以上修得することが卒業要件である。通常、4年次は卒業研究に専念することになるが、卒業研究に入る(講座配属)4年次より前に、即ち、3年次末までに定められた一定の単位数以上を修得していなければならない。
新カリキュラムでは必修科目の単位数をできるだけ抑え、40近い生物科学専門選択講義と他学科・学部の選択講義に加えて、他大学・研究機関からの非常勤講師の集中選択講義を用意する等自由度がきわめて高く、展開が著しく境界領域を志向する学生の要求にも対応可能としたユニークなグルメバイキング方式である。
研究室配属(卒論)†
卒業研究は生物科学科の教育の中で最も重要視されるもので、実際にこの一年間は、その前の3年分に匹敵するほどの教育効果が得られるとともに、研究の面白さと知識・技術を身につけ、大学院進学を本格的に志すようになる。三年次末に研究室配属(卒論)のガイダンスが行われる。できるだけ希望を受け容れているが収容能力は各研究室ともほぼ同じであるので、例年学生数が平均化されるよう努力している。