広島大学理学部生物科学科は,旧広島文理科大学を母体として昭和24年の学制改革により同大学同学部生物学科として発足しました。国立大学法人(旧国立大学)の生物学科のなかでも,東京大学,京都大学,東北大学に次ぐ4番目に古い伝統と実績を有し,今日までに幅広い研究分野を包含する全国的に有数の規模を誇る組織として発展してきました。
現代生物学の進歩はめざましく,今日では医学や農学だけでなく工学や情報分野との接点も増し,多面的な学問としても大きく発展しています。一方で遺伝子治療,再生医療,組み換え作物など生物学が生み出した技術をめぐりさまざまな課題が表面化し,人類全体としての対処が求められています。そういった状況にあっても「生命とは何か」という人間にとって最も根源的な問いに答えようとする生物学本来の魅力は不変です。
現在,本学科では計15にのぼる研究グループが細菌から高等動植物に至る各種生物を対象として,発展めざましい現代生物科学の諸課題の解明を目標として日夜研究に励んでいます(詳しい研究内容は各研究室のページを参照ください)。
学術研究に邁進する一方で,生物科学を基礎とした21世紀を担う人材の育成に向けて,私たちは教育の充実も図ってきました。生物科学を志す学生諸君に対し本学科では,分子・細胞レベルから個体・集団レベルにいたる幅広い生物的階層を対象に,多岐にわたる生物学分野の教育を体系的に実施し,履修生が興味深く着実に生物学を修得できるよう配慮した教育システムを構築しています。その基盤となるのが「生物学プログラム」で,平成18年度から本学に「到達目標型教育プログラム」が導入されたのを契機にこれを実施しています。本プログラムでは,明確な教育の到達目標のもとに,質の高い教養および専門教育を提供するとともに,履修生の習熟度などに配慮しながら柔軟に教育する体制を整えています。
このホームページは,教育と研究に対する私たちの取り組みを皆さんに分かりやすく御紹介することを目的に設けました。内容をご覧いただき,私たちの日頃の活動について理解を深めていただき,ご助言をいただければ幸いです。