共通施設
顕微鏡室
電子顕微鏡は、理学部D棟1階にあり、走査型電子顕微鏡(日本電子、JSM-T220A)と、透過型電子顕微鏡(日本電子、JEM-1010)が設置されている。また、試料作成のための凍結乾燥装置,臨界点乾燥装置、超薄切片作成のための電動式ウルトラミクロトーム、真空蒸着装置等が設置されている.共焦点レーザー顕微鏡(オリンパス FV1000)も設置されており、現在、複数の研究室で活発に利用されている。
植物用人工気象室
理学部D棟D112号室に設置された日本医科器械製作所製人工気象室であり、直下の床面で13000 luxの照明装置を備えている。
この装置はイネ・シロイヌナズナ・タバコ・コケなど植物一般を管理された栽培条件下で栽培するための装置として導入された。温度20~40℃、湿度50~90%の範囲内で、ステッププログラム制御が可能である。
バイオ解析装置
この装置は大学院の演習用に導入されたシステムで、理学部D棟D112号室に設置されている。このシステムはタンパク質試料を電気泳動で分離しながら、目的の画分を効率的に分取するためのもので、以下の装置から成り立っている。
- 分取電気泳動装置 Atto社製 Nativen L system
- カラムクロマト装置 Atto社製 バイオクロマトグラフ II
- 超低温フリーザー
- バイオメディカルフリーザー
- パルスフィールド電気泳動装置 BioRad社製 CHEF DR-II,III
レーザーマイクロダイセクション
レーザーマイクロダイセクション装置は、理学部D棟D115号室にあり、カールツァイス社製倒立型顕微鏡と、カールツァイス社製レーザーマイクロダイセクション装置から成り立っている。
この装置はレーザー照射により顕微鏡下で組織から細胞内の微小な標的部位(最小1μmの領域)までを迅速かつ高精度で切り取り、その切除部位を回収し、特定の細胞から遺伝子解析を効率良く行う有効な手法として現在広く使用されている。また、タンパク質の回収にも利用され始めている。
動物飼育施設
生物科学専攻の動物飼育関連施設には動物飼育室、水生動物飼育恒温槽、屋外飼育池があり、いずれも研究棟A棟南側に置かれている。動物飼育室は、内部が、淡水動物室、海水動物室、哺乳動物室、及び準備室の5つのコンパートメントに区切られている。現在、主としてアメフラシ、ウニ、クラゲ等の海産動物、ラット、マウス、ウサギ等が飼育されている。最近、哺乳動物室に自動水洗装置が付いたラット飼育棚が4台、設置され、より清潔な環境で小型齧歯類の飼育が可能となった。動物飼育室に隣接する水生動物飼育恒温槽では、より厳重な飼育環境の管理を要する近交系動物等が飼育されている。さらに、屋外飼育池は、コイなどの大型魚用の池が4基、小型魚用の池が18基設置されている。
植物温室・圃場(通称植物園)の動き
植物園は植物管理室,温室,実験圃場および樹木園からなり,実験用植物と教材植物の栽培育成が為されている。植物園では生物科学専攻や数理分子生命理学専攻の研究室による研究が行われており,また,学生実習などの教育が行われている。植物園は教育・研究の場であると同時に,広島大学のアカデミックな景観的シンボルでもあるので,植物園の周辺部を含めた植生管理と環境整備に当たっている。植物の育成には環境条件の把握が重要であり,簡単な気象観測も行っている。 平成6年度に樹木園の排水工事を完了し,植物の植え付けが再開されたが,依然として土壌条件が悪く,雑草も繁らず,樹木を移植しても枯れるものが多かった。そこで,学内の除草作業により多量に搬出される草を使って堆肥を作り,堆肥による土壌改良を試みた。その結果,堆肥を埋めたところではようやく雑草が繁るようになり,樹木の移植も可能になってきた。現在では,ツツジ類とカエデ類を集めた植物園を目指して植物の植え付けを行っている。平成7年8月に,原田学長を通じてギンレイカメラ店から百二十鉢のサボテンの寄贈があり,温室の一つをサボテンコ-ナ-として整備している。学内科研により,放射光科学研究センタ-の建設予定地に生育していたツツジ類を圃場に移植して,学内の緑化に役立てることを試みている。
生態実験園
山中谷川両岸の生態実験園は,「人と自然とのふれあいの場」として整備されている.ここでは西条盆地から姿を消しつつある里山の原風景を復元し,里山の生物を保護する試みがなされている.現在,植物園に隣接する水田跡に湿地を形成中であり,ハナショウブ園やトンボの飛ぶ湿地などを作り,西条盆地の特徴である溜池と湿原の植物を集めた生態実験園を整備している。
技術専門職員: 塩路 恒生
お問い合わせ: 植物管理室(内線2842)