理念・教育・沿革
理念
生物科学専攻は,生体分子から細胞,個体,集団レベルまでの広い研究体制をもち,総合力と独創性を兼ね備えた人材の育成を目標としている.
大学院教育
全教員と教務委員による大学院ガイダンスと全大学院担当教員の分担する3つの現代生命科学の共通講義の設置をはじめ,マスター論文中間報告を取り入れた教室セミナー,他講座・研究室若手教員によるアドバイザー制度の導入,最先端設備講習会・ミニシンポジウム,他大学・研究機関からの非常勤講師による集中講義・セミナー,フェニックスシンポジウム等,従来の講座・研究室主体の教育に代わり,専攻が一体となって大学院教育・研究の充実化にあたる体制になっている.
博士課程前期(修士)は22単位,特別研究8単位,合計30単位以上が必要単位である.博士課程後期は博士論文研究に専心し,講義単位取得の義務はない.
平成18年度より大学院教育改革を開始している.
沿革
広島大学大学院理学研究科生物科学専攻および理学部生物科学科は,旧制広島文理科大学を母体として昭和24年の学制改革により広島大学理学部生物学科動物学専攻と植物学専攻として発足したものである.その始まりは古く,明治35年創設の広島高等師範学校にさかのぼることができる.国立大学の生物学科の中でも東京大学,京都大学,東北大学に次ぐ4番目に古い伝統と,多くの実績を有する学科である.
平成5年4月の改組によって,それまで学部及び大学院とも動物学専攻・植物学専攻に分かれて教育・研究を行ってきた組織が,生物科学科及び大学院生物科学専攻という組織になった.さらに平成12年4月に,大学院理学研究科の部局化にともない,生物科学専攻も大きく改組し,五つの大講座より構成されることになった.
本専攻・学科の沿革と大要を年代順に記すと以下のようになる.
1909年04月 | 広島高等師範学校創設 |
1929年04月 | 旧制広島文理科大学動物学教室および植物学教室発足 |
1933年06月 | 附属臨海実験所 向島(尾道市の対岸)に開設 |
1945年08月 | 旧制広島文理科大学 世界最初の原子爆弾の被害を受ける |
1949年05月 | 学制改革により新制広島大学創設.動物学・植物学両教室は理学部所属となる.各教室にはそれぞれ形態・分類・生理の3講座が置かれ,臨海実験所は理学部の附属となる. |
1953年04月 | 大学院理学研究科の設置認可.動物学専攻と植物学専攻の修士課程の学生が入学.1955年4月には博士課程の学生が入(進)学する. |
1967年06月 | 理学部附属両生類研究施設設置.大学院動物学専攻の教育を行う. |
1974年04月 | 理学部附属宮島自然植物実験所設置.植物学専攻の教育を行う. |
1977年04月 | 理学部附属遺伝子保管実験施設設置.教育・研究を行う. |
1987年05月 | 生物学科に分子遺伝学講座新設.動物学教室は計4講座となる. |
1988年04月 | 生物学科に細胞構築学講座新設.植物学教室は計4講座となる. |
1991年03月 | 大学院最先端設備「細胞情報機能解析システム」の設置 |
1991年10月 | 広島大学統合移転計画に基づき理学部は東広島市西条キャンパスへ移転 |
1993年04月 | 生物学科は生物科学科へ改組.大学院動物学専攻と植物学専攻は,学科直結の生物科学専攻と学部をもたない遺伝子科学独立専攻の2専攻へ改組 |
1997年10月 | 生物科学科に再生生物学寄付講座設置(2000年9月廃止) |
2000年04月 | 大学院理学研究科の部局化.生物科学専攻の構成講座は,動物科学,植物生物学,多様性生物学,両生類生物学,植物遺伝子資源学の5つの大講座となる. |
2004年04月 | 国立大学法人化 |
2016年010月 | 両生類研究施設は両生類研究センターとなった |