広島大学大学院統合生命科学研究科 基礎生物学プログラム

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理念・教育・沿革

理念・教育

われわれ人類は、長い歴史の中で蓄積した知識や技術を駆使して飛躍的に生活の質を向上させた一方で、新たな問題も生じてきました。人類が新たな知識や技術を獲得する出発点は「なぜ?どうやって?」という素朴な疑問ではないでしょうか? その素朴な知的好奇心を科学的・論理的に満たす活動こそが基礎研究であると私たちは考えます。そして基礎研究によって培われた英知を土壌として、いつの日か、人類が直面する問題を解決し、輝く未来を切り開くイノベーションが花開くのです。

 

私たちの基礎生物学プログラムの教員は、様々な培養細胞やモデル生物、あるいは自然界に自生する動植物を対象にして、癌、形態形成、性分化、細胞分裂、神経機能、金属タンパク質、遺伝子導入、分子系統、進化、分類・生態、植物ホルモン、葉老化など、基礎生物学の様々な研究テーマに日夜取り組んでいます。そして、これらの基礎研究の成果の一部は、すでに医学界・産業界に応用されています。

 

このような経験豊富な教員陣が提供する基礎生物学プログラムの教育・研究によって、学生は生命の謎を解き明かす研究の最前線に加わることができます。また、他の様々なプログラムの教員から学ぶことによって、他分野の研究にもより広い視野を持つようになります。基礎生物学プログラムは、生物学だけでなく幅広い分野の基礎研究から応用研究までシームレスに対応できる人材を養成します。

沿革

広島大学大学院統合生命科学研究科基礎生物学プログラムおよび理学部生物科学科は,旧制広島文理科大学を母体として昭和24年の学制改革により広島大学理学部生物学科動物学専攻と植物学専攻として発足したものである.その始まりは古く,明治35年創設の広島高等師範学校にさかのぼることができる.国立大学の生物学科の中でも東京大学,京都大学,東北大学に次ぐ4番目に古い伝統と,多くの実績を有する学科である.

平成5年4月の改組によって,それまで学部及び大学院とも動物学専攻・植物学専攻に分かれて教育・研究を行ってきた組織が,生物科学科及び大学院生物科学専攻という組織になった.さらに平成12年4月に,大学院理学研究科の部局化にともない,生物科学専攻も大きく改組し,五つの大講座より構成されることになった.

平成31年(令和元年)4月,大学院統合生命科学研究科の発足にともない,生物科学専攻は基礎生物学プログラムおよび生命医科学プログラムとして再構成されることになった.

本プログラムの沿革と大要を年代順に記すと以下のようになる.

1909年04月 広島高等師範学校創設
1929年04月 旧制広島文理科大学動物学教室および植物学教室発足
1933年06月 附属臨海実験所 向島(尾道市の対岸)に開設
1945年08月 旧制広島文理科大学 世界最初の原子爆弾の被害を受ける
1949年05月 学制改革により新制広島大学創設.動物学・植物学両教室は理学部所属となる.各教室にはそれぞれ形態・分類・生理の3講座が置かれ,臨海実験所は理学部の附属となる.
1953年04月 大学院理学研究科の設置認可.動物学専攻と植物学専攻の修士課程の学生が入学.1955年4月には博士課程の学生が入(進)学する.
1967年06月 理学部附属両生類研究施設設置.大学院動物学専攻の教育を行う.
1974年04月 理学部附属宮島自然植物実験所設置.植物学専攻の教育を行う.
1977年04月 理学部附属遺伝子保管実験施設設置.教育・研究を行う.
1987年05月 生物学科に分子遺伝学講座新設.動物学教室は計4講座となる.
1988年04月 生物学科に細胞構築学講座新設.植物学教室は計4講座となる.
1991年03月 大学院最先端設備「細胞情報機能解析システム」の設置
1991年10月 広島大学統合移転計画に基づき理学部は東広島市西条キャンパスへ移転
1993年04月 生物学科は生物科学科へ改組.大学院動物学専攻と植物学専攻は,学科直結の生物科学専攻と学部をもたない遺伝子科学独立専攻の2専攻へ改組
1997年10月 生物科学科に再生生物学寄付講座設置(2000年9月廃止)
2000年04月 大学院理学研究科の部局化.生物科学専攻の構成講座は,動物科学,植物生物学,多様性生物学,両生類生物学,植物遺伝子資源学の5つの大講座となる.
2004年04月 国立大学法人化
2016年10月 両生類研究施設は両生類研究センターとなった
2019年04月 大学院統合生命科学研究科が発足し,基礎生物学プログラムおよび生命医科学プログラムとして再構成された

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